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重い電車を動かそう!
~リニアモーターの原理~

2018.04.02
  • #うず電流
  • #ジュール熱
  • #交流
  • #磁力線
  • #電気抵抗
  • #電磁誘導の法則

最新の都営地下鉄大江戸線や福岡市営地下鉄七隈線では、リニアモーターを使って車両を動かしています。ただし、車両の支持・案内には、従来と同じレールと車輪が使われています。

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昔の車両は一般の同軸円筒型モーターで駆動していたため、床下の設置スペースが広くなり、車両全体が大きくなります。一方、細長いリニアモーターを使うと床下スペースを狭くでき、車両の小型化により必要なトンネル直径が小さくなります。

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鉄心に巻いたコイルは電磁石とも呼ばれ、電流を流すと片端にN極が、他端にS極が生じます。
そこで、車両の床下に設置されたコイルに交流を流すと、N極とS極が時間とともに入れ替わります。

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一方、地上のレール間に設置された金属製のリアクションプレートには電磁誘導の法則に基づいてうず電流が流れ、プレート上にも磁極(N極もしくはS極)が形成されます。車両とプレートの磁極間で磁力の反発と吸引が空間的・時間的に交互に繰り返されて、車両が前へ動きます。

(九州大学 柁川一弘)

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