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料理づくりを劇的にスピードアップ~圧力鍋と化学反応~

2019.01.22
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  • #指数関数
  • #水の三態
  • #飽和蒸気圧

圧力鍋は、美味しい料理を作るための便利な道具です。圧力鍋を使って料理をすると、短時間で具材を煮込むことができます。例えば、普通の鍋だと30分以上かかるカレーやシチューの煮込み時間が5分以内ですんだり、魚のイワシを煮ると骨まで柔らかくなり美味しく食べることができます。

圧力鍋

料理を煮込むための水は、大気圧(1気圧)下にて100℃で沸騰します。しかし、圧力鍋で加熱を続けると、水から蒸気へと相変化を起こしても蒸気は大気に放出されることなく鍋内(容積一定)に留まり圧力が増加します。その圧力の増加(鍋に付設した調整弁のため2気圧ぐらいまで達します)にともない沸点も上昇し、水は120℃程度になります。

図2

圧力鍋の中では、野菜の細胞壁の破壊、肉類のタンパク質や繊維の分解が促進され、短時間で調理を終わらすことが可能となります。このときの分解反応の反応速度kは、絶対温度をTとすると次のようなネイピア数eの指数関数で与えられることが知られています。
k=Ae^((-E/RT)) (A, E, Rは定数)
この式を使って、反応速度を計算した場合、温度が10℃上昇しただけで反応速度は2~3倍になることがわかります。同様に化学プラントの反応器でも、温度や圧力をコントロールして化学反応が効率的に進むように制御しています。

(久留米工業高等専門学校 松山清)

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