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血糖値センサで疾病予防!
~ネイピア数と血糖値センサ~

2018.04.09
  • #反応速度
  • #対数関数

健康状態のチェックにバイオセンサが活躍しています。例えば、血糖値センサは1 mLの数百分の1の試料だけで、数十秒後には結果がわかります。血糖値が高いといろいろな病気になりやすいのですが、病院に行かなくてもその場でチェックできるようになったので、患者の負担を軽くすることができました。ところで、重さや体積は試料全体を測りますが、血糖値センサはそうではありません。どのようにして調べているのでしょうか?

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A → Bという反応では、Cを原料の濃度、反応時間をtとしたとき、

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という式が成り立ちました。この式は、「ある時間のあいだに減少する原料の量は濃度に比例する」ことを意味しています。そこで、反応をスタートした直後に、僅かな時間変化を調べます。得られる値は、ほぼ、最初の濃度と考えて良いでしょう。これで、全部を調べなくても済みますね。
ここで、∆をdだと考えて、式を見直してみましょう。すると、時間の関数である濃度を微分しても、元の関数から変わっていないことに気付きます。これは、ネイピア数eを低とする指数関数だけの特徴でした。このことから、次の式が得られます。

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血糖値は血液中のグルコース濃度なので、体内でグルコースを代謝しているグルコースオキシダーゼ(GOx)を使って調べます。GOxは、1個のグルコースを分解するときに電子を2個奪い取ります。体内では、他の物質がGOxから電子を受け取りますが、血糖値センサでは、金属や炭素電極がその役割をしています。GOxがつぎつぎにグルコースを分解すると、電極を通して、センサの回路に一定の電流が発生します。電流の単位はクーロン毎秒ですが、1秒あたりのグルコース反応量と同等なのがわかるでしょう。これでグルコースの全量がわかります。GOxはとてもデリケートなので、長期間にわたって保存できるように、技術的に工夫されています。

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表 成人の血糖値(参考データ)

(九州大学 中野幸二)

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